ワンパンマンはヒーロー視点で物語が進むためどうしても怪人が絶対悪という感情になってしまいますよね。
しかしガロウだけはヒーローではなく自ら悪役である怪人になることを望んでいました。
怪人側にいるガロウですが、むやみに子供を傷つけたりせずヒーローや自分が気に食わない奴を倒す徹底ぶり。
そんな怪人に憧れたガロウを好きになる人も多いのではないでしょうか。
ということで今回はワンパンマンに登場するガロウについてまとめていきます!
ガロウついては原作の内容も含まれます。ネタバレを好まない方はこちらで閉じてください
ガロウとは
ワンパンマンより引用© 村田雄介/集英社
アニメ制作会社:マッドハウス
ガロウとは幼い時の経験からヒーローに偏見や反感を持ち、人間ではありながら自らを怪人と称してヒーロー狩りを行っている青年です。
S級ヒーローのシルバーファングことバングの下で修業し、彼と同じ流水岩砕拳をマスターしている。
バングの弟子の中で最強の実力を持っていたが、他の弟子たちを大した理由もなく殴って病院送りにするため道場を追い出される。
その際にバングの怒りを買い、ボコボコにされる。
バングからすればまだまだガロウは半人前だったという。
人間なのに怪人に憧れていて、ヒーロー協会に登録されているヒーローを襲撃している。
ヒーローに対して反感を持つようになったきっかけは、子供の時にヒーローごっこで無理やり怪人役をさせられてヒーロー役の子供からいじめを受けたことである。
その際にいじめに抗議してもめ事を起こし、自分に非はないと主張するも教師や周りの生徒たちはだれも信用しなかった。
いじめっ子がクラスの人気者でガロウが地味で目立たない子供だったからである。
このことがきっかけでガロウは「ヒーロー=正義で怪人=悪」という構図を憎み、反感を持つようになる。
ヒーローが絶対的な正義で怪人が絶対悪という世の中の見方に疑問を持ち反逆するようになった。
ヒーローは人気者だがその人気者にいじめられ、訴えても誰にも信用してもらえなかったことでガロウのなかで世の中の通念を憎む気持ちが生まれた。そのような経験からワンパンマンの物語の中でガロウは怪人を狩るヒーローたちを襲うことで名をあげ、自分の理想とする怪人になろうとする。
その活動を通してヒーロー(人気者)が勝って悪党の怪人が負けるという、戦隊もののストーリーのような構図が間違いだと証明しようとする。人気者が常に正しいわけではないという、自分が経験した教訓を世に知らしめようというのだ。しかしヒーローたちをボコボコにはするものの、命までは奪ってはいない。
また自分もいじめられっ子だったからか、顔がブサイクだったせいでいじめられていたタレオを何回も助けるなどしていた。
ヒーローを憎み怪人を目指すといいながら、困っている人を見ると放っておけないのである。そういったただの悪人というわけではなく、いい面もあることがこのキャラクターの魅力でもあるかもしれない。
劇中では無免ライダーやS級ヒーローのタンクトップマスターを最初に襲撃した。
最初はタンクトップマスターに苦戦するレベルだったが、並みいる強敵たちとの戦いやいくつもの修羅場をくぐり抜けてどんどん強くなっていった。その後金属バットやA級ヒーローのバネヒゲとの戦いで経験を積み、実力をつけていく。そういった実績が怪人たちから評価され、怪人協会から入会の誘いを受ける。
しかしガロウの理想とする怪人の姿と怪人協会の怪人たちが違っていたため、交渉は決裂する。ブサイクなタレオを助けた後で鬼レベルのの怪人たちと戦うことになるが、数の差が圧倒的だったため敗北する。
そしてその戦いで重傷を負って意識不明の重体になるが、驚異的な回復力で傷が治る。回復後にすぐ怪人協会のアジトに単身乗り込み、タレオを助けにに行った。
ガロウの怪人化
ワンパンマンより引用© 村田雄介/集英社
アニメ制作会社:マッドハウス
ガロウは怪人協会のアジトに乗り込んだ際、覚醒し怪人に変身します
全身が赤黒く変色し、鎧のような硬そうな皮膚を持つ姿に変貌する。
その強さはというと怪人協会最強クラスの黄金精子を瞬殺し、その場にいたS級ヒーローたちをノーダメージで全滅させる程。S級ヒーローたちは怪人たちとの戦いで疲労し、ダメージを受けていたとはいえ怪人化したガロウの強さは凄まじいものがある。
タンクトップマスターに苦戦していた頃とは大違いである。そしてついにサイタマとの一騎打ちが始まる。最初は格闘技の経験の差でガロウに優位な戦況のように見えていたが、途中でサイタマが本気を出していないことに彼は気づく。
サイタマが本気を出していれば、ワンパンで決着がつくはずである。その後何回か変身をするが、最終的にはサイタマの圧倒的な強さの前に完全敗北することになる。
そういった状況の中でなお、ボロボロの状態で立ち上がり自身のヒーローと怪人に関する持論を熱弁する。
最後にサイタマに「なぜヒーローをやっているのか」と問いかけるが、「趣味」と一蹴され自分の思うヒーローの姿とかけ離れたサイタマの動機に唖然とする。
ガロウの考えるヒーローとは、正義感に溢れていて悪を根絶やしにするという使命感に燃えている人だったのだろう。戦いの後にサイタマはガロウの行動を見て、「手加減してヒーローを殺さない」「子供を殺す気がない」と結論づける。
さらに彼が「正義とは何かヒーローとは何か」という明確なヴィジョンを持っていることを踏まえ、ガロウが本当になりたかったのは怪人ではなくヒーローだったと見抜き指摘した。
そして「お前の怪人は妥協の趣味、俺の正義は本気の趣味」「お前は目指す前からハードルを下げたんだ。それだけでも負ける気がしない」などと檄を飛ばす。しかし戦いに敗れた上にサイタマに自分の真の望みを見透かされたガロウは、心折られ生きる意味を失ってしまう。
ガロウの処刑を執行しようとするアマイマスクたちに抵抗しようとせず、満足げな表情すら見せていた。しかしそこにガロウに救われた少年タレオが止めに入る。彼はガロウこそが「本物のヒーロー」だと主張し、ガロウの処刑をやめさせるために必死でアマイマスクたちに訴えかける。
自分を助けるために命がけで怪人協会にまで乗り込んでくれたヒーローに死んで欲しくなかったのだろう。ここにきてガロウは自分の自信を取り戻し、生きる気力を持ち直した。
自分が怪人になるためにしてきたことこそがガロウの思うヒーローの姿を体現したもので、子供の頃の自分のような弱者にはガロウが本物のヒーローに見えていることに気づく。
その瞬間ガロウはサイタマ以外の全員が目で追えない程のスピードでどこかへ姿を消した。
ガロウの目的
ガロウの目的はヒーロー狩りをすることで有名になり、自分が理想とする絶対悪の怪人になることである。
そしてヒーローは偽善者で絶対悪の存在こそ真の世界平和を生むという自身の考えを証明することである。
怪人協会での戦いの際にガロウは怪人に変身し、その願いは叶うことになる。幼少期のトラウマをきっかけに抱くことになった目標が達成されたのである。
彼は自分の夢が叶って満足したのだろうか?それとも人間とは大きく異なる異形の姿となり困り果てたのだろうか?しかしその後のサイタマとの戦いに敗れ、どこかへ姿を消して以降劇中には登場しなくなる。
恐らくヒーロー狩りもやめてしまっている。サイタマとの戦いの後に本当になりたかったのはヒーローだと指摘され、それを目指すことにしたのだろうか?彼の目的はサイタマとの戦いの後でヒーローになるというものに変わっているのかもしれない。
もしヒーローを目指しているのならば、ヒーロー協会に入会しサイタマとともに戦うこともあるかもしれない。
ガロウの現在
サイタマとの戦いの後は消息不明となっていた。しかしS級ヒーローのキングが「本当に強くなりたい」と世界各地の道場や稽古場を巡っていた際、最後に訪ねた「最果て修業場」で滝に打たれている彼の姿を目撃している。
サイタマに敗戦したことをきっかけに、修業し直すことにしたのだろうか?そして彼は、生活のために運送業者でアルバイトをしている。
まとめ
今回はガロウについてまとめました。
やっぱりガロウのようなキャラがいることでワンパンマンが面白くなっていることに確かですよね。
ヒーロー側が一方的に悪である怪人を倒すのではなく、怪人側も怪人側で正義があるというこのストーリー性。
ガロウはタレオを守る姿は怪人ではなくヒーローですよね。
やっぱり好きになります。
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