かつてワノ国の無法地帯「九里(くり)」を一代で平定した「大大名」光月おでん。
先代将軍・光月スキヤキの嫡男にして、センゴクからは「『白ひげ』『ロジャー』『赤髪』に好かれた『ワノ国』の海賊」と評される人物です。
この記事では、故人でありながら本編に大きな影響を及ぼしている光月おでんについて解説します!
「ワノ国編」クライマックスに備え、涙なくしては読めないその生涯と、後世に与えた影響を振り返っておきましょう!
光月おでんとは?
ワンピースアニメより引用©尾田栄一郎/集英社/
アニメ制作会社:東映アニメーション
光月おでんとは、前述の通りワノ国先代将軍・光月スキヤキの嫡男であり、モモの助と日和の実父でもある人物です。
本編では既に故人であり、959話から描かれた過去編に先がけ、家臣の錦えもんやモモの助の話から名前だけは判明していました。
海外でもベテラン海兵たちには「『白ひげ』『ロジャー』『赤髪』に好かれた『ワノ国』の海賊」として広く知られています。
過去編では光月おでんの生涯が描かれており、その壮絶な最期には誰もが涙したことでしょう!(詳しくは後述しますが、私も大好きなシーンです)
外見は382cmの長身かつ屈強な体格が特徴。
顔立ちは歌舞伎役者のように力強く、円盤がくっついたような独特なヘアスタイルをしています。
服装はワノ国出身者らしく大きな仁王襷で袖を絞った姿が印象的な和装で、下着は褌。
褌には「牛すじ」等おでんダネの名前が書かれています。
口癖は「窮屈でござる!!」。
自由奔放かつ度量の大きな性格で、鎖国で閉ざされたワノ国に閉塞感を感じており、海外に強い興味を持っていました。
後に家臣であるイヌアラシは「おでん様には ワノ国はちと狭すぎたのだ…」と語っています。
自由奔放とは言え、その破天荒さは不思議な魅力とカリスマ性(通称・おでん節)を持っていました。
妻は航海の途中に知り合った天月トキ。
トキとの間にはモモの助と日和という2人の子どもを設けています。
その豪胆で魅力溢れる人がらは家臣である錦えもんら「赤鞘九人男」だけでなく、白ひげやロジャーといった大物海賊にも愛されました。
おでんの戦闘能力
光月おでんは作中でも屈指の実力を誇る剣豪であり、二刀流の我流剣術「おでん二刀流」で巨大猪「山の神」を一刀両断するほどの凄まじい実力の持ち主。
ここからはそんな光月おでんの戦闘能力について解説します!
おでん二刀流
「おでん二刀流」は光月おでんが編み出したオリジナルの剣術であり、「天羽々斬(あめのはばきり)」と「閻魔(えんま)」という2本の大刀を用いた二刀流です!
光月おでんは「おでん二刀流」を「最強」を自負しており、「家臣たちに受け継いでほしい」と考えていたようです。
しかし、家臣たちは「それぞれが独自で武術を磨き上げ、一番強くなった者がおでんの一番弟子になる」「正式に弟子になるまでは技を教わらない」という約束を家臣間で交わしており、結局おでんから「おでん二刀流」を受け継いだ者は誰もいませんでした。
おでんの技
桃源白滝(とうげんしらたき)
2本の刀を勢いよく横一文字に振るい、強力な斬撃を繰り出す技。
町を襲った巨大猪「山の神」を一刀両断しました!
銃・擬鬼(ガン・モドキ)
2本の刀で高速の連続突きを繰り出す技。
26年前のロジャー海賊団との戦いで使用。
桃源十拳(とうげんとつか)
「おでん二刀流」の奥義と思われる技であり、相手の体を十字に斬りつけます。
流桜(覇気)を纏わせた強力な斬撃で、その威力は空島から飛び降りても傷1つ付かないカイドウの体に20年を経てもなお残る深い傷を付けるほど!
家臣たちは「おでん二刀流」を継承はしていないものの、全員の合体技としてカイドウに繰り出しており、傷を与えていました。(9人がかりでも本家ほどの威力ではなかったようですが)
覇気
3種類の覇気を全て体得していたことが判明しています!
特に後述する「閻魔」をワノ国で唯一扱えたこと、家臣たちに流桜について教えようとしていた描写から特に武装色の覇気の扱いに長けていたようです。
おでんの愛刀
愛刀は「天羽々斬」と「閻魔」。
どちらも「大業物21工」に位列する名刀です!
おでんの処刑決定後、「天羽々斬」はモモの助へ、「閻魔」は日和へと受け継がれました。
その後、「閻魔」は「秋水」に代わる新たな武器としてゾロに譲渡されています。
「閻魔」は「地獄の底まで切り伏せる」と言われるほどの切れ味を誇り、「持ち主の覇気を吸い上げて切れ味を増す」という特性があります。
使いこなせたのは光月おでんだけであり、ゾロが初めて「閻魔」を振るった際には覇気を吸われすぎて腕がミイラのように萎んでいました。
「天羽々斬」にも何か特別な力が宿っているのか、気になりますね!
余談ですが光月おでんとゾロの身長差を考えると、「閻魔」が小さくなっているような・・・?
ツッコミは無粋ですね、すみません。。
光月おでんの生涯
ここからは光月おでんの生涯について紹介します!
詳しく書くと長くなりすぎるので、ポイントに絞って整理していきます!
おでんの生涯①白ひげとの出会い
その破天荒さから父・光月スキヤキに勘当され、「花の都」を追い出された光月おでん。
しかし、窮屈な生活を抜け出せて逆にラッキーとばかりに諸国漫遊の旅に出ます!
そして旅の過程にて、光月おでんの人柄を慕い続々と家臣が集結。
荒れ放題だった「九里」を平定し、見事「久里の大名」として認められることになったのでした。
そしてある日、「九里」に白ひげ海賊団が漂着します。
海外に強い興味を持っていた光月おでんは白ひげに斬りかかりながら「おれの名は光月おでん!!!誰だか知らんが!!」「お前の船に!!乗せてくれ!!!」と直訴。
はじめは光月おでんの仲間入りを拒否していた白ひげですが、紆余曲折を経て光月おでん(と家臣の一部、航海中に出会った天月トキ)を海賊団に迎え入れるのでした。
こうして海賊となった光月おでんは白ひげ海賊団の一員となり、仲間たちと共に大海原を冒険することになったのです!
航海中の出来事を光月おでんは日記にまとめています。
おでんの生涯②ロジャーとの冒険
第二子・日和誕生と同年の26年前、白ひげ海賊団とロジャー海賊団の戦闘が勃発!
戦闘はその後三日三晩と続きましたが、4日目には何故か宴会になっており、光月おでんも白ひげやロジャーと酒の飲み交わしていました。
宴会の最中、光月おでんはロジャーから「ロード歴史の本文(ポーネグリフ)」を読み解くことで明らかとなる「最後の島」の存在と、そこに眠る莫大な財宝、ロジャーの掲げる前人未踏の世界一周の夢を聞かされます!
その夢に度肝を抜かれた光月おでんは、気付けばロジャーと共に白ひげに頭を下げてロジャー海賊団への移籍を嘆願していました。
結局、弟の我儘を嫌そうに聞き入れた白ひげにより、光月おでんとその家族(加えて密航したイヌアラシ、ネコマムシ)はロジャー海賊団に迎え入れられたのでした。
以降、光月おでんはロジャー海賊団の一員として共に各地に眠る「歴史の本文」を解読。
旅の途中でワノ国へ一時帰国したものの、「歴史の本文」を移し取り足早に出航しています。
そしてついに光月おでんとロジャー海賊団は「最後の島」へと到達!
「莫大な宝」を前に光月おでんは「かつてワノ国が開国していたこと」や「空白の100年」「Dの一族」「古代兵器」といった世界の様々な謎の真実を知るに至りました。
目的を果たしたロジャーは病のこともあり海賊団の解散を宣言。
そして光月おでんもまた「ジョイボーイのため、ワノ国を開国する」ことを決意して帰国したのでした。
おでんの生涯③バカ殿への転落
しかし、帰国した光月おでんを待っていたのは黒炭オロチとカイドウにより変わり果てたワノ国でした。
さらには先の襲撃で妻・光月トキが負傷したことを知り激怒。
黒炭オロチを討つため「花の都」へと単身突撃します!
しかし、光月おでんの刃が黒炭オロチに届くことはありませんでした。
バリバリの実で守られた黒炭オロチとカイドウは、さらに「花の都」の町人を人質に取っていたのです。
そして光月おでんは黒炭オロチの真の目的と、
「毎日定時に一度、花の都で裸踊りをすれば、その都度人質を100人解放すること」
「自身とカイドウらは、5年後に完成する船に乗って海に出ること」
を告げられ、これを承諾。
以降5年に渡って毎週裸踊りを続け、事情を知らない国民からは蔑みの目で見られる日々を過ごします。
光月おでんの最期
5年間に渡り裸踊りを続けていた光月おでんですが、「九里」を訪れたオロチの発言により騙されていたことを悟り、カイドウを討つことを決意。
しかし、討ち入り作戦が敵方へバレており、百獣海賊団の待ち伏せを受けてしまいます。
「地上最強の生物」とも称されるカイドウに「おでん二刀流 桃源十拳」で傷を負わせるほどに善戦するものの、敵方の卑怯な策にハマり光月おでん一行は敗北。
罪人として捉えられ、町民たちの目の前で処刑されることに決まってしまいます。
処刑の冒頭、光月おでんは助命のチャンスを求め、カイドウも彼の提案を承諾。
釜茹でに1時間耐えることで見逃すことを約束します。
光月おでんはその発言を確認すると、自ら真っ先に釜の中に飛び込み、9人の家臣たちが乗った橋板を持ちあげました!
処刑場周辺では町民たちが口々に光月おでんを罵倒していましたが、しのぶが光月おでんの真実を告げられたことで、いつしか光月おでんを応援する声で溢れていました。
そして、とうとう約束の1時間を耐え切った光月おでん!
しかし、黒炭オロチは「“銃殺の刑”に変える事を…一分前に思いついた さらに一家皆殺し!!」と新たな条件を立て、またしても約束を反故にします。
その時、光月おでんはその一瞬の隙を突き、橋板もろとも家臣たちを観衆の外まで投げて逃がしました!
家臣たちも光月おでんから託された「開国」の夢を果たすため、脇目も振らず駆け出したのでした。
そして光月おでんは、大見得を切り辞世の句を詠みながらカイドウに介錯され、39年の生涯に幕を下ろしました。
最後まで言えなかった辞世の句は、光月おでんの死を悲しむ町民によって代弁されました。
「一献の 酒のお伽に なればよし 煮えてなんぼのォ〜」
『『『おでんに候!!!!』』』
光月おでんが死亡したことによる影響
こうして激動の生涯を終えた光月おでんですが、その存在は後世に大きな影響を及ぼしました。
光月おでんにより「開国」の夢を託された家臣「赤鞘九人男」はバラバラになりながらも20年後のワノ国に集結を果たしました。
「麦わらの一味」を筆頭に、数多くの協力者を得て。
奇しくもルフィこそが光月おでんが待っていたジョイボーイではないかと思われ、主君の夢を叶える道を正しく進んでいると言えるでしょう!
カイドウの息子・ヤマトは光月おでんの生き様に大きな影響を受け、その遺志を次いでワノ国開国を志すようになりました。
現在ではルフィやモモの助とともに、父・カイドウの打倒を目指しています!
また、光月おでんが遺した航海日記はヤマトが所持しています。
日記には光月おでんの日々の記録とともに、「ラフテル」で知ったこの世界ついての「ある事実」が記載されているとのこと。
カイドウとの戦いが終わった後、日記に書かれた「ある事実」は登場人物たちが目にするところとなり、ワンピースの物語は終盤に向けて大きく動き出すに違いありません!
まとめ
この記事では「『白ひげ』『ロジャー』『赤髪』に好かれた『ワノ国』の海賊」光月おでんについて解説しました。
光月おでんの過去編は世界の真実に近づく貴重な描写が多く、また魅力的な人柄や壮絶な最期と相俟って読んでいて非常に楽しいものでした。
ロジャーとともに、現在に大きな影響を遺した人物であると言えるでしょう。
ワノ国編もクライマックスを迎えており、近いうちに明かされるであろう日記の中身がとても楽しみですね!
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