「ジャンプっぽくない!!」そんな声がたくさん聞かれた藤本タツキの衝撃作、『チェンソーマン』。
第1部である「公安編」が2019年から2021年まで週刊少年ジャンプで連載され、コミック発行部数は1200万部を突破している大人気作品です。
第1話からグロテスクな描写が強烈なインパクトを残し、容赦なく次々と死んでいく登場人物たち。中だるみを全く感じさせずドンドンと引き込まれる展開は、藤本タツキの前作『ファイアパンチ』からさらにパワーアップしています。
伏線も各所に張られていて、最後まで読み切った後また読み返しても楽しむことができます。
そんな一度では理解しきれない内容と終盤明らかになっていく様々な真相が、今作の面白さにつながっています。
面白い!ハマる!と話題になった理由を挙げるとキリがありませんが、大きな要因は登場人物である「マキマの存在」ではないでしょうか。
今回はチェンソーマンに登場する「マキマ」についてまとめていきます。
「マキマ」についての内容はチェンソーマンの画像を引用させていただいております。問題がありましたら、問い合わせページからご連絡いただければ速やかに消させていただきます。(集英社/藤本タツキ様)
マキマとは
チェンソーマン10巻表紙より参照©藤本タツキ/集英社
マキマとは内閣官房長官直属のデビルハンターでデンジたちを指揮する人物
ピンクよりの赤色の長髪に後ろは三つ編みでまとめているのが特徴。
性格はとても落ち着いており、部下であるデンジたちに非常にやさしく接しています。
しかし裏のあるような表情から姫野や岸辺には警戒されています。
可愛く美しい見た目からデンジはマキマの犬になってもいいと放つほどです。
デンジと同じようにマキマに心を射抜かれた読者も多いでしょう。(私です)
可愛く美しい見た目とは裏腹に「マキマの正体」はかなりヤバいものだと判明します。
姫野や岸辺がマキマを警戒していたことは正しかったということですね。
挙句の果てには、マキマはチェンソーマンの第1章のラスボスでもあるのですから驚きです。
ここから「マキマの正体」についてまとめていきます。
マキマの正体
結論から申し上げますと、マキマの正体は「支配の悪魔」です
アメリカの大統領が銃の悪魔と契約を結び、「どうかマキマを…いや…支配の悪魔を殺してほしい」(第9巻)と言う決定的な場面があります。
マキマが契約した支配の悪魔は自分が格下だと思った相手を人間や動物、悪魔など関係なく支配できます。
支配の能力を使い、他の悪魔の能力を自分のものとして使うことができるのです。
自分のものとして使うではなく「自由自在に操る」ことができるんですね。
また、鳥やネズミなどの下等生物の耳を借りて、遠くのターゲットの話を盗み聞くことができます。
マキマに聞かれるのを警戒する岸辺が、筆談で真意を話す場面も。
攻撃面に関しては、生贄に名前を言わせて目標の人物を圧死させたり、手を銃の形にしてぱんと一言発するだけで相手を撃ち殺したりしています。
マキマの能力
マキマには不死の能力があります。
それは支配の悪魔とは別の能力です。
マキマを殺すことはできますが、そのたびにマキマは生き返るのです。
マキマと内閣総理大臣との契約により、マキマの死は日本国民の病気や事故などに変換されます。
要するにマキマを倒すためには、日本国民全員を殺さなければいけないということになります。
総理大臣は中々クレイジーなことをやってくれました(笑)
ここから分かる通りマキマはチートであることが分かります。
マキマの目的
マキマの目的はデンジの幸せを作り上げ、破壊し、再起不能にして契約を破棄させることです。
詳しく言うと「ポチタ」と契約すること=チェンソーマンを自分のものにすることですね。
アキが死んだ現実から逃げるようにマキマの家で楽しい時間を過ごすデンジ。
そんな中呼び出されたパワーは、「開けて デンジ君が開けて?」(第10巻)とマキマに言われた通り玄関のドアを開けたことでマキマに殺されてしまいます。
そのシチュエーションは、以前からデンジが見ていた「開けちゃダメだ」という夢にそっくりでした。
この警告するような夢は、銃の魔人と化したアキがチャイムを何回も鳴らしたシーンでも描かれています。
マキマによって明かされるデンジが父親を殺害した場面がこの「開けちゃダメだ」の元である体験であり、トラウマ。
嫌な記憶を扉の向こうに隠していたデンジの脳内の象徴なのでした。
では、扉をデンジに開けさせた行為の意味とは何なのでしょうか?
答えは、「自分のせいという罪悪感を植え付けるため」だと考えられます。
自分のせいでアキが死んだ。パワーが死んだ。父親が死んだ…。
深く大きな罪悪感と絶望がデンジを襲うことは間違いないでしょう。
幸せを作ることに成功したマキマは、最後の仕上げに玄関の扉と記憶の扉を同時に開けさせることでデンジの幸せをバラバラにぶち壊したのでした。
玄関の扉とトラウマの記憶の扉を重ねた描写は、独特な演出が多いチェンソーマンという作品の中でも随一の不気味さと印象深さを残しています。
マキマはデンジを好んでいたのではなく「チェンソーマンのデンジ」を好んでいただけだったということですね。
マキマの放つ「犬」とは
マキマの放つ「犬」という言葉には3つの意味があります
1つ目の意味は、文字通り動物の犬のこと。
マキマは家でたくさんの犬を飼っていて、ティラミスやシュークリームというチャーミングな名前を名付けて可愛がっています。
2つ目の意味は、公安で働いている人間のこと。
国家の犬という警察を悪く比喩する言葉があるように、国の言うことにすべて従う公安の人間を指しています。
3つ目の意味は、支配できる目下の存在のこと。
犬は従順でなんでもいうことを聞くため、支配の悪魔に服従している生き物という構図を象徴する存在なのではないでしょうか。
まとめ
今回はチェンソーマンに登場するマキマについてまとめました。
チェンソーマンは続編である第2部「学園編」が少年ジャンプ+で2022年初夏より連載が予定されています。
また、2022年にアニメも放送予定です。
マキマは最終的に第1部の最後でデンジに身体を食べられ、「ナユタ」という新しい支配の悪魔に生まれ変わります。
続編はデンジとナユタが一緒に生活しているところから始まると考えられますが、マキマの出番はもうないのか?
支配の悪魔であるナユタがもしかしたら前の記憶を思い出して…いう展開も、衝撃の連続だった第1部を描き上げた藤本タツキならやりかねません。
マキマの姿が見られるアニメ放送と待望の第2部連載開始を楽しみに待ちましょう!!
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