この記事では田村結衣さん作【矢野くんの普通の日々】についてご紹介していきます。
ストーリーの流れ・登場人物の魅力・ネタバレありのおすすめシーンを盛り込んでいきます。
「心がときめく漫画が読みたい」
「話題の漫画の内容を知りたい」
と思う方はぜひ最後までご覧ください。
矢野くんの普通の日々のあらすじ
主人公は高校2年生の吉田清子。
クラス委員長であり、世話焼きの長女気質な女の子です。
2年生になった初日、清子のクラスに傷だらけの男の子が登校してきました。
彼の名前は矢野剛。
清子のとなりの席に座ります。
毎日のようにケガをしながら登校してくる矢野くんを、心配性の清子は放っておくことができません。
親友とともに放課後の矢野くんを尾行すると、彼はドジでケガをしやすい不運体質であることが判明します。
そんな傷だらけの矢野くんを気にかけているうちに、人と壁を作っているけど本当は心優しい性格であるとわかり、清子の心配は恋に発展していきました。
なんとか矢野くんと仲良くなりたいと作戦を立てるものの、二人の距離はなかなか縮みません。
しびれを切らした清子は正面から、矢野くんと仲良くなりたいと伝えます。
人と壁を作っている矢野くんのやりたいことを、私がサポートしたいと申し出るのです。
自分の不運体質に人を巻き込みたくない矢野くんは、今まで孤独な学校生活を送ってきました。
本当はケガを気にせずに、放課後友達と遊ぶような“普通の高校生活”を送りたいと告白します。
そこから清子はケガを手当てしつつ、矢野くんの高校生活をサポートしていくのです。
手当てを通して二人の距離は近づき、ときめかずにはいられないような関係に発展していきます。
矢野君の普通の日々の魅力
個性的なクラスメイト
矢野くんの普通の日々には、高校生らしい個性豊かなクラスメイトが登場します。
優しく心暖かい子ばかりなので、読みながらお気に入りの子を見つける楽しみがあります。
~清子の親友メイちゃん~
いつも清子の相談に乗りながら、温かく見守ってくれる女の子です。
矢野くんに振り回され一喜一憂する清子を、しっかりと観察して応援します。
口出しはしませんが、ナイスタイミングでフォローしてくれる賢さがあります。
~清子に片思いする羽柴くん~
清子と共にクラス委員をしていて、野球部に所属しています。
一度清子に思いを伝えましたが、実は清子が矢野くんを好きなことに気が付いていました。
面倒見のいい長男気質で、二人の恋を邪魔することなく静かに眺めている姿は、見ていて切なくなります。
~田中くん~
メイちゃんの幼馴染で、お調子者の男の子です。
あまり存在感は強くないものの、たまに出てきては場の空気を和ませます。
~泉さん~
羽柴くんの清子への思いに気付き、密かに応援しています。
中立な立場でみんなの恋を楽しく見守っていました。
鈍感な矢野くんと清子の恋模様
清子は毎日矢野くんの手当てをしますが、矢野くんからは感謝の気持ちは伝わってくるものの、それ以上の気持ちが芽生えないことを残念に思いはじめます。
そんなある日、清子は道端で矢野くんのお父さんと出会うのです。
ケガだらけのお父さんを見て、矢野くんの不運体質が遺伝によるものだと理解します。
そこで清子は矢野くんの性質について聞かされました。
矢野くんは自分の身の安全を守りたいという安全欲求が強すぎるあまり、人に好かれたい、仲間がほしいなどの欲求が薄いと言われるのです。
清子はいつだって矢野くんなりの優しさを返してくれていたことに気が付き、特別な気持ちがなくても一緒に楽しく過ごせるだけで幸せだと思いなおしました。
ここから恋に鈍感な矢野くんと清子の、ゆっくりとした恋が進んでいきます。
読み進めていくと
「じれったい!けど可愛い!」
と応援したくなるような二人の恋ですが、清子といることで友達もできた矢野くんの心に変化が出てきます。
いつも自分を気にかけてくれる清子に対して、感謝以上の気持ちを感じはじめるのです。
初めての感情を自分でも理解ができない矢野くん。
清子が他の男の子と仲良くしているとつまらない、子供扱いされたくないと感じます。
気にかけてもらえるのは嬉しいけど、なんだか恥ずかしい。
矢野くんは初めての感情を、恋愛ソングと少女漫画に習って恋だと気付きました。
いつも通り授業中に手当てしてくれている清子を見つめ、矢野くんは告白します。
晴れて両想いになった二人。
少し浮かれた雰囲気が漂いつつ、矢野くんは恋のエネルギーを自分の成長に繋げます。
清子を喜ばせたい一心で、学校の成績も伸ばしていくのです。
とても幸せな清子ですが、ここでひとつ疑問がわいてきます。
私たちって付き合ってるの?
初めての恋を楽しむ矢野くんは、好き同士になったその先を考えられるほどの経験値がありません。
ネタバレおすすめシーン3選
ここは絶対すみずみまで見てほしいと思えるシーンを3つ選びました
表情から読み取れる二人の心境が、スッと心に入り込んでくるようなシーンをご紹介します。
第3話
普通の高校生活の一環として、いつもお昼を食べていたメンバーに矢野くんを迎えた清子。
しかし毎日トラブル続きのお昼休みになってしまいます。
矢野くんはみんなを不運に巻き込みたくないという理由で、明日からは別々に食べようと伝えてきました。
これからも一緒にお昼を食べたい清子は「明日矢野くんのためにお弁当作ってくる!」と宣言するのです。
清子の顔は真っ赤。
矢野くんも真っ赤な顔で驚きながらも、清子がそこまでしてくれる優しさに照れているような表情を浮かべます。
いつも自分を気にかけてくれている清子に対して、矢野くんが初めて照れるシーンです。
「やっぱり女の子にお弁当作ってもらえるのって、単純に嬉しいよね」
と矢野くんの気持ちが伝わってくる素敵な一コマでした。
第5話
体育の授業でドッジボールをやることになった清子のクラス。
もちろん同じチームで矢野くんを守りたい清子でしたが、残念ながら別のチームになってしまいます。
矢野くんがケガをしないだろうかと心配しながらボールから逃げていると、気付いた時には矢野くんと1対1になっていました。
目の前には傷つけたくない矢野くん、しかしクラスメイトが見ている中、ボールを投げなくてはいけません。
緊張しながら投げたボールは外野へ。
外野が矢野くんめがけてボールを投げようとした瞬間、矢野くんは清子をチラッと見て、そのままボールに当たり試合が終了になります。
このシーンでは矢野くんが、自分めがけてボールを投げられない清子を気遣って、わざとボールに当たり自分が負けて終わらせようとする気持ちを、目元だけで表現しています。
試合中矢野くんは何度もボールに当たりますが、全て顔面セーフになっています。
しかし最後だけは手にボールをうけ、わざと当たりにいっていることがわかりました。
咄嗟に清子を思いやることができる矢野くんに、読者までキュンとしてしまう名シーンとなっています。
第14話
羽柴くんの妹に借りた少女漫画。
そこには矢野くんが日ごろ感じていた、清子への気持ちがストーリーとして描かれています。
ふとした瞬間に見せる清子の笑顔を少女漫画の一コマに重ね、漫画の主人公のように「この人が好きなんだ」と確信します。
授業が始まりノートをとっていると、いつも通り指を切ってしまう矢野くん。
そのままやり過ごそうとした時、清子が声をかけてくれます。
矢野くんの指に絆創膏を貼っている清子は、伏し目でとてもキレイに描かれており、そんな清子を見た矢野くんはつい自分の気持ちを口走りました。
「好きです」
見落としてしまいそうなほど小さく書かれた一言は、うっかり口を突いて出たのがわかるようなシーンです。
誰にも聞き取れないような声でささやいたのが、まるで映像を見ているかのように伝わってきました。
告白シーンなので素敵な演出になるのは当然ですが、後ろの席で二人を眺めているようなドキドキ感に包まれます。
まとめ
矢野くんの普通の日々”の魅力は伝わりましたでしょうか。
とにかく甘酸っぱい青春ラブコメではありますが、「ケガと手当て」を通して二人の距離が近づいていく様子は、見ていてハラハラとドキドキの連続です。
これから矢野くんはどれだけ清子に心を開いてくれるのか、どのように成長していくのか目が離せません。
1巻、2巻ともに重版するほどの人気漫画ですので、この機会に手に取って読んでみてください。
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